愛知県蒲郡市は、県南東部の東三河地域に属し、市域の南側を三河湾に面し、それ以外の三方を山に囲われた、自然の恵み豊かで温暖な地域であります。

当地には歴史深い延喜式内社の形原神社並びに赤日子神社、山車の海中渡御で知られる三谷祭の八剱神社、蒲郡のシンボルである竹島に鎮まる八百富神社、古代からの磐座を祀る大巖神社並びに岩上神社など多くの特徴ある神社が存在します。

このサイトでは蒲郡に鎮座する五十七社の神社について写真、神社名、御祭神、鎮座地、由緒、例祭日、旧社格、御朱印の有無、地図等を以て個別に紹介をしております。たとえ小さな御社であっても、そこには御祭神が祀られ、その成立ちは興味深くあるものです。

神社巡りの手助けとして、或いは歴史を知る資料として、多くの方にご活用いただければと存じます。

形原神社並びに赤日子神社は「延喜式神明帳」三河国宝寶飫郡六座に列する所謂「式内社」であります。

 

形原神社は社伝によれば舒明天皇十一年(639年)の創始とされ、藤原京跡からは形原に関する木簡が出土しています。赤日子神社は創始年代は詳らかではありませんが「日本総国風土記」天智天皇甲戌(674年)にその名が見え、両社とも蒲郡地内での最古の神社といえます。

 

また形原地区からは縄文土器が出土、赤日子神社付近からは弥生時代の環濠が見つかるなど、神社創建の遥か以前から人々の居住地として好適であったと思われます。


三谷祭は三谷町の産土神の八劔神社及び若宮神社の例祭です。

 

二日間にわたり町内各六区で奉納踊りを行う他、日曜日にはサラシを巻いた半裸身の氏子達が、四台の絢爛豪華な山車を曳き町内を練り歩いた後、一番の見所となる「海中渡御」が行われます。

 

元禄時代から受け継がれ三百年の歴史を有し、現在は蒲郡市無形民俗文化財に登録されております。


磐座は神を招き降ろす依り代となる岩であり、多くは巨石であったり、独特の形状をしており、社殿が常設される以前からの祭祀の一形態とされます。

 

蒲郡にあっては、拾石町の大巖神社(素戔嗚神社の末社)、金平町の岩上神社、また赤日子神社の奥ノ院にあたる聖山の山頂近くの通称「お皿様」等の興味深い磐座が存在します。